Vol.52

2026.01.26

「住民票はPEACEBOAT」の巻

出会ってしまった。
乗船32回目という、最強オヤジに。
 
「32回……?」
 
私の脳内が計算を始めた頃、
さらに追い打ちがきた。
 
「54回の人もおるで〜」
 
こちらの人生観が、
小刻みに震える。
 
住民票、PEACEBOAT。
 
……え?
在籍地、船?
 
実際の制度上どうなのかはさておき、
船内では、こういう話が
“都市伝説のテンション”ではなく、
“生活情報レベル”で出てくる。(笑)
 
家賃なし。
水道光熱費なし。
固定資産税なし。たぶん。
 
食費?
船で三食出る。
 
というか、
朝5時から夜24時まで、
いつでも何かしら食べられる。
 
そして。
 
オプショナルツアーに行かない。
ギガも使わない。
船内で過ごす。
 
すると、追加料金は基本ゼロ。
 
乗船料は高い。
たしかに高い。
 
でも、
「場合によっては、高齢者施設に入るよりPEACEBOATのほうが安い」
そう言う人も多い。
 
なるほど〜。
そういう発想〜。
 
船に乗ったからこそ分かる。
 
これは、たしかに一理ある。
しかも、その暮らし方が潔い。
 
マンションを売り払い、
荷物はリュックひとつ。段ボールひとつ。
 
1クルーズ107日。
それを年3回乗れば、321日。
 
残り44日は、
友だちの家や、
PEACEBOATで出会った人の家に
泊めてもらう。
 
発想が真逆。
 
陸に家を持つのではなく、
海に暮らす。
 
すごい。
 
さらに、PEACEBOATセンターで
アルバイトもするらしい。
 
年齢や内容によって多少違うようだが、
 
たとえば——
・1時間のお手伝いで、1,200円〜1,800円
・ポスター貼りは「3軒に3枚」で、1,200円〜1,800円
 
それが、乗船割引や
オンボードクレジット、
つまり船内で使えるお金として
積み上がっていく仕組み。
 
中には、
「今回、50万円分貯めてきたで」
というオヤジまでいた。
 
そして、
「今日もじゃんじゃん飲むか〜」
と、華麗に溶かしていく。
 
海の上では、
金銭感覚まで浮く。
 
お一人様の高齢者が船に乗るメリット。
極めつけが、これ。
 
陸で一人暮らしをしていたら、
万が一の時、
発見が遅れることもある。
 
でも船なら、
毎朝ベッドメイキングが来る。
 
つまり——
生存確認が、標準装備。
 
これ、めちゃくちゃ強い。
 
そして、ここで船の先輩方から、
重い一言。
 
「この船、棺桶がまぁまぁ乗ってるらしいで。早い者勝ちや」
 
え。
なにその先着順。
 
しかも、
「・・・毎回、いろいろ、あるよ〜」
って、言い方が日常すぎる。
 
※あくまで船内で耳にした“噂話”です。真偽は不明。
 
でも、そんな話が冗談まじりに出てくるほど、
船の暮らしは濃い。
 
 
さて、もうひとつ。
 
乗り続けるコツ。
「どうやったら安く、快適に乗れるか?」
 
一人一室は高い。
二人で乗ると、
ほぼ“半額”感覚になる。
 
……とはいえ、
107日間、同室で一緒に来てくれる友だちなんて、
そう簡単には見つからない。

余談ですがーー

 
夫婦でも
「あなた、ひとりで行ってきて」
が多いらしい。
 
そんな中、近藤家。
「近藤さんとこみたいに、仲良しで来られるの珍しいわ〜」
「いつも一緒ね〜」
と言われる。
 
すると、だぁさま。
ここでドヤ顔。
「うちはニコイチですから〜」
 
周囲、ざわつく。
「そんなこと、よく照れずに言えますね〜!」
「きゃ〜〜ラブラブ〜!」
 
私、なぜか謝る。
……すみません。

さて、本題に戻ろう。
 
船には、素敵な“次回予告”システムがある。
 
船内で気の合う人同士が出会い、
「次、いつ乗ろうか〜」
と約束する。
 
そして次回は、同室で乗る。
 
こうして、
海上シェアハウス仲間が
どんどん増殖していくらしい。
 
ただし。
平和だけではない。
 
今回、こんな話も聞こえてきた。
相部屋の2人がケンカして、
ひとりが横浜で帰った。
 
夫婦ゲンカして、
ひとりがハワイで帰った。
 
ほかにも、いろいろ……。
ひぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
何百万というお金を払って、途中下船。
 
よほどの鬼オコぷんぷん丸か。
よほどの大金持ちか。
 
まぁしかし、ここは閉鎖的な「船」という村。
 
距離が近い。
逃げ場が少ない。
 
コミュニティづくりに失敗すると、
村八分ではなく——
 
途中下船。
 
こわい。
 
というわけで、結論。
 
PEACEBOATは、
“旅”でもあり、
“暮らし”でもあり、
ときどき“人生そのもの”みたいな場所。
 
そして近藤家、夫婦同室生活は、
いまのところセーフ。
 
……いまのところ?
 
乗船より一ヶ月ちょいが経過。
 
ニコイチのまま、
無事に帰れるのか。
 
この先の行方に、乞うご期待(笑)
 
🌀To Be Continued🌀

↓作画 by ぴーちゃん。天才。(笑)
 
  LIST  BLOG TOP  MAIN