戻って来てくれてありがとう(笑)
続・コリオリの力、いきます!
前回、排水口の渦を入口にして、
コリオリの力について少し触れました。
今回は、いよいよ空と風の話。
トイレから空へ。
排水口から地球へ。
スケールが急に大きくなりまーす。
ついてきて〜。
置いていかないで〜。笑
さて、
コリオリの力は、
地球上を移動するものの進行方向を、
曲げるように働く力。
北半球では、進行方向に対して右へ。
南半球では、進行方向に対して左へ。
北へ進めば、右は東。
南へ進めば、右は西。
つまり、どちらへ進むかによって、
曲げられる向きも変わる。
このコリオリの力が、
地球規模で大きく関わっているもののひとつが、
台風やサイクロンの渦。
日本に来る台風は、
北半球で発生する熱帯低気圧なので、
反時計回りに渦を巻く。
一方、南半球で発生する熱帯低気圧、
いわゆるサイクロンは、
時計回りに渦を巻く。
名前が違うから回り方が違う、
というより、
北半球か南半球かで、コリオリの向きが違う
ということね。
そしてこのコリオリの力、
地球のどこでも同じ強さで働くわけではない。
ざっくりいうと、
赤道付近では、効きにくい。
極に近づくほど、効きやすい。
北半球では、進行方向に対して右へ。
南半球では、進行方向に対して左へ。
という感じ。
「え、じゃあ赤道をまたいだ瞬間に、
全部の動きが反転するの?」
と思うよね。
でも現実は、そんなスイッチ式ではない。
赤道を越えた瞬間、
水も風も人間も、
急にクルッと反対向きになる。
……わけではない。
そんな地球、ちょっと怖い。笑
では、そんな強さの違いは、
いったい何に影響するのか。
ここで出てくるのが、
Vol.25でも少し触れた、
ドルドラム/ITCZ(熱帯収束帯)。
この話が、コリオリの力を知ると、
もう少し腑に落ちてくる。
赤道付近では、
コリオリの力がとても弱い。
いわば、
コリオリが薄い地帯。
では、コリオリが薄いと何が起こるのか。
まず、赤道付近は、
太陽の熱を強く受ける。
海も空気も、ぐんぐん温められる。
温められた空気は軽くなって、
上へ上がる。
空気が上へ上がると、
地表付近では空気が足りなくなる。
すると、北からも南からも、
空気が赤道付近へ流れ込んでくる。
ここで、もしコリオリの力が強ければ、
風は大きく横へ曲げられて、
少し逃げ道ができる。
でも赤道付近では、
コリオリの力が弱い。
だから風が大きく横へ曲げられにくく、
赤道付近に集まりやすい。
集まった空気は、行き場を失って、
上へ上がる。
上がった空気は冷えて、
雲になる。
そして、雨がドカッと降る。
これが、
ITCZ、熱帯収束帯。
船乗りたちが昔から恐れた、
ドルドラム、無風・スコール帯とも呼ばれる場所。
風がない。
暑い。
湿気がすごい。
急に空が暗くなる。
雨がドカッ。
そしてまた、しーん。
空気が止まっているわけではない。
むしろ、めちゃくちゃ動いている。
ただし、横ではなく、
上へ。
横風としてスーッと吹くのではなく、
上昇気流として、空へ逃げている。
だから船の上では、
「風がないのに、急にスコール」
という、不思議な感じになる。
なるほど。
地球、なかなかクセが強い。
そして、緯度が上がると、
コリオリの力はじわじわ強くなる。
すると、風はまっすぐ南北に動けず、
だんだん横へ曲げられる。
その代表が、
偏西風。
偏西風は「西へ吹く風」ではなく、
西から東へ吹く風。
中緯度あたりで、空気が南北に動こうとしたとき、
地球の自転によるコリオリの力で進路が曲げられ、
東向きの流れが強くなる。
それが、偏西風。
日本上空にも流れていて、
天気が西から東へ変わりやすいのも、
この偏西風の影響が大きい。
つまり、
赤道付近では、
コリオリが弱く、
空気が集まり、上へ逃げる。
中緯度では、
コリオリが強くなり、
風が横へ曲げられて流れる。
船の上で感じた、
あの不思議な「しーん」とした時間。
風がないのではなく、
風が上に逃げていた。
そう思うと、
ちょっと見え方が変わってくる。
地球一周は、
観光だけではない。
気づけば、
空を見て、
風を感じて、
雲の動きを眺めて、
スコールを浴びて、
地球のしくみを体感している。
なんだこれ。
動く保養所であり、
動く理科室でもある。
すごいな、PEACEBOAT。
最後にもうひとつ。
コリオリの力ネタ。
「日本人のカラダは、コリオリの力を受けてる。」
いや、
生活の中の小さな現象や、
人間の身体のクセにまで、
そのまま大きく影響しているかというと、
そこはかなり慎重に見たほうがよさそう。
人間の姿勢や歩き方に影響するものは、
コリオリの前にいろいろありすぎる。
姿勢。
筋力。
歩き方。
靴。
生活習慣。
スマホ。
椅子。
床。
運動不足。
そして、本人のクセ。
身体は、地球より先に、
日常に支配されている。
なんだかんだ、
いちばん強いのは生活習慣である。
なので、もし誰かに、
「日本人のカラダは、コリオリの力を受けて、姿勢が傾いたり、左右の動作に差異がある。」
なんて言われたら、
一瞬、
「おお、地球規模!」
と思うけれど。
いや〜、そこまで言い切るなら、
もはや研究室案件。
地球のせいにする前に、
まず立とう。
まず歩こう。
まず行動しよう。
コリオリより先に、
現代人にはやることがある。(笑)
🌀To Be Continued🌀
追記
もし専門家の方がこのブログを読んでくださっていましたら、ぜひお話を伺いたいです。
ご連絡お待ちしております♫