MEMORIES OF THE JOURNEY

PEACE BOAT VOYAGE 122
A 107-Day Journey Around the World 2025.12.14-2026.03.30

 

Vol.24

2025.12.29

「世界一早い初日の出と世界一遅い初日の出に遭遇」の巻

ハワイからタヒチへ。
航路はだいたい、“真南〜ちょい東”方向。
 
なのでしばらくは、うれしいことに時差調整ナシ。
時計を進めたり戻したりしなくていい。
 
睡眠を削られない。
しあわせ〜。
 
……ところが!
ここで、思わぬイベントが発生する。
 
「日付が変わる」
 
いや、日付は毎日変わるんです。それは知ってるんです。
ですけど、今回は様子が違う。

なんと、
12月31日 → 1月1日になって、
また12月31日に戻って、
さらにもう一度、1月1日になる。
 
え、なにそのカレンダーの反復横跳び。
 
そう。
ずいぶん前に越えたはずの「日付変更線」を、
なんと、もう一度またぐらしい。


ここで、ちょっとした雑学タイム。
 
日付変更線は、ざっくりいうと
東経180度/西経180度あたりにある。

でも実際には、
「はい、ここが180度です!」と、
まっすぐピシッと線が引かれているわけではない。
 
国や島の都合で、びっくりするほどギザギザしている。

 
 
その“ギザギザ事情”の代表が、
太平洋の島国たち。
 
なかでも有名なのが、
キリバス共和国。

キリバスは、島々が東西に広く散らばっている国で、
昔はなんと、国内で日付がズレる状態だったらしい。
 
同じ国なのに、こっちは今日。あっちは昨日。
ややこしいにもほどがある。
 
そこで1994年、
「もう国内の日付、そろえようぜ」
となり、1995年1月に東側の地域を丸ごと+24時間動かした。

するとどうなったか。
 

 
 
日付変更線が、キリバスを避けるように、
ぐいっと東へ飛び出した形になった。
 
つまり、地図の経度だけ見れば
「過去側」にいたはずの島「カロリン島」が、
ルール変更によって、
「世界でいちばん早く朝が来る場所」
と名乗れるようになったわけである。

さらに、2000年のミレニアムを前に、
「カロリン島」は1997年に
「ミレニアム島」へ改名〜キラーン!
 
PRも兼ねてって、軽い〜(笑)
 
でも、こういう話を聞くと、しみじみ思う。
“日時”って、自然そのものではなく、
人間が決めたルールなんだなぁ、と。

ちなみに、もうひとつ余談。
 
南極点では、360度どちらを向いても全部“陸”。
経度の線が全部集まる場所なので、
「で、ここは何時ですか?」
という話になると、
その基地がどこの国の運用で動いているか、
どこから補給を受けているか、
そういう事情に合わせることが多いらしい。
 
隣の基地は朝。
うちの基地は夜。
みたいな世界。

さらにさらに余談。
 
ベーリング海峡には
「ディオミード諸島」という不思議な島があるらしい。
 
ロシア側の大ディオミード島と、アメリカ側の小ディオミード島。
ふたつの島の距離は、たった約3.8km。見えてる距離。

なのに、その間に国境と日付変更線が通っていて、
ロシア側は“明日の島”、アメリカ側は“昨日の島”と呼ばれることもある。
 
隣の島が昨日だ、明日だ、って⋯
地球、やっぱり時々バグってる(笑)


 
さて、話を船旅に戻す。
 
今回、私たちの船は、
その日付変更線のギザギザの“飛び出た部分”を通過するらしい。
 
しかも。
 
そのタイミングが、まさかのーー
初日の出。
ドンピシャ。
 
やるな、航海士。
 

 
つまり、こういうことが起きる。
 
「今、ちょっとだけ元旦です!」
「はい戻りました、12月31日おかわりです!」
「そしてもう一度、あけましておめでとうございます!」
 
忙しい忙しい(笑)
 
明日に行って、
数時間で昨日に帰ってきて、
また明日に向かう。
 
カレンダーだけタイムマシーン現象。
 
“世界一早い側”と“世界一遅い側”。
国際ルールで決められたその継ぎ目を、
私たちの船が、すーっとまたいでいく。
 
しかもそれが、初日の出に重なるなんて。
これはもう、ただの移動ではない。
 
「世界一早い初日の出」と
「世界一遅い初日の出」に遭遇する旅。
 
そんなビッグイベントが始まる大晦日は、明後日。
 
赤道には赤い線が引いてあるらしいけど、
日付変更線はどこ?何色?って(笑)
 
🌀To Be Continued🌀
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