ハワイからタヒチへ。
航路はだいたい、“真南〜ちょい東”方向。
なのでしばらくは、うれしいことに時差調整ナシ。
時計を進めたり戻したりしなくていい。
睡眠を削られない。
しあわせ〜。
……ところが!
ここで、思わぬイベントが発生する。
「日付が変わる」
いや、日付は毎日変わるんです。それは知ってるんです。
ですけど、今回は様子が違う。
でも実際には、
「はい、ここが180度です!」と、
まっすぐピシッと線が引かれているわけではない。
国や島の都合で、びっくりするほどギザギザしている。
キリバスは、島々が東西に広く散らばっている国で、
昔はなんと、国内で日付がズレる状態だったらしい。
同じ国なのに、こっちは今日。あっちは昨日。
ややこしいにもほどがある。
そこで1994年、
「もう国内の日付、そろえようぜ」
となり、1995年1月に東側の地域を丸ごと+24時間動かした。
ちなみに、もうひとつ余談。
南極点では、360度どちらを向いても全部“陸”。
経度の線が全部集まる場所なので、
「で、ここは何時ですか?」
という話になると、
その基地がどこの国の運用で動いているか、
どこから補給を受けているか、
そういう事情に合わせることが多いらしい。
隣の基地は朝。
うちの基地は夜。
みたいな世界。
さらにさらに余談。
ベーリング海峡には
「ディオミード諸島」という不思議な島があるらしい。
ロシア側の大ディオミード島と、アメリカ側の小ディオミード島。
ふたつの島の距離は、たった約3.8km。見えてる距離。
なのに、その間に国境と日付変更線が通っていて、
ロシア側は“明日の島”、アメリカ側は“昨日の島”と呼ばれることもある。
隣の島が昨日だ、明日だ、って⋯
地球、やっぱり時々バグってる(笑)
さて、話を船旅に戻す。
今回、私たちの船は、
その日付変更線のギザギザの“飛び出た部分”を通過するらしい。
しかも。
そのタイミングが、まさかのーー
初日の出。
ドンピシャ。
やるな、航海士。
つまり、こういうことが起きる。
「今、ちょっとだけ元旦です!」
「はい戻りました、12月31日おかわりです!」
「そしてもう一度、あけましておめでとうございます!」
忙しい忙しい(笑)
明日に行って、
数時間で昨日に帰ってきて、
また明日に向かう。
カレンダーだけタイムマシーン現象。
“世界一早い側”と“世界一遅い側”。
国際ルールで決められたその継ぎ目を、
私たちの船が、すーっとまたいでいく。
しかもそれが、初日の出に重なるなんて。
これはもう、ただの移動ではない。
「世界一早い初日の出」と
「世界一遅い初日の出」に遭遇する旅。
そんなビッグイベントが始まる大晦日は、明後日。
赤道には赤い線が引いてあるらしいけど、
日付変更線はどこ?何色?って(笑)
🌀To Be Continued🌀