イースター島を出航して、
また船は太平洋へ。
モアイさんに後ろ髪をひかれつつ、
日常、いや、船上生活に戻る。
で、ここでひとつ、
イースター島停泊中にやっていた
地味すぎる実験の報告を。
その名も——
太陽さんとにらめっこ。
実はこのミッション、
出発前から決まっていた。
「南中高度90度、つまり太陽がほぼ真上に来る瞬間に、影がどうなるのか写真を撮ってきて!」
という、数学クラスからの宿題。
いや、宿題のクセが強い。
地球一周旅行に出る人に、
「お土産買ってきて」ではなく、
「影を撮ってきて」。
最高です(笑)
もともと、旅前にぴーちゃんと調べていたところ、
タヒチからイースター島あたりの航路で、
太陽がかなり頭上に近づくらしい、ということが判明。
(詳しくは第5話→https://shuplace.jp/chinami/voyage/cn5/cn2/pg2106.html)
日本では、太陽が真上に来ることはない。
でも、南の海まで来ると、
太陽がほぼ頭の上までやってくる。
つまり、影がめちゃくちゃ短くなる。
これは見たい。
これは撮りたい。
これは確かめたい。
近藤家、
モアイを見る前から、
影にも前のめり。
ただし、ここで大きな問題がある。
「時計の12:00」と、
「太陽がいちばん高くなる瞬間」は、
同じではない。
これ、知ってるようで、
ちゃんと考えるとややこしい。
日本でも、標準時の基準は明石あたり。
だから、そこより東にいるか西にいるかで、
太陽がいちばん高くなる時刻はズレる。
さらに、地球の公転が楕円だったり、
地軸が傾いていたりするせいで、
太陽の動きは毎日きっちり同じではない。
いわゆる、均時差というやつ。
時計はマジメ。
太陽は気分屋。
さらに今回は、船旅。
船は毎日、動いている。
しかも今回は、時差調整もある。
時計の時間。
船の時間。
太陽の時間。
体内時計。
もう、何を信じていいのやら。
実際、ハワイを出てからイースター島へ向かう途中、
船はじわじわ東へ進んでいく。
その間、時差調整が続く。
1日が23時間になる日が、何度もある。
毎日1時間ずつ、睡眠が削られていく。
寝る時間を早くすればいいのだけど、
なぜか夜ほど元気になるのが人間という生き物。
昼間に急な眠気。
夜に妙な覚醒。
体内時計、完全に迷子。
そんな中で、
「太陽がいちばん高い瞬間」を狙う。
無謀。
でも、楽しい(笑)
最初は単純に、
「正午に撮ればいいんでしょ?」
くらいに思っていた。
ところが。
12時に撮っても、
思ったほど影が短くない。
あれ?
今日のほうが短い?
あれ?
昨日のほうが短かった?
あれ?
もしかして、今?
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そして、もうひとつ大事なことに気づく。
ここは南半球。
日本で太陽がいちばん高くなることを
「南中」というけれど、
イースター島ではちがう。
太陽は、北側でいちばん高くなる。
つまり、正確にはーー
北中。
ちなみ :南中南中〜♪
太陽さん:北ですけど?
ちなみ :えっ……
はい。
影は南向き。
日本と逆。
ここ、テストに出ますーーーーーー!!!
机の上で聞くと、
「ふーん」で終わる話。
でも、自分の足元にできた影が、
ちゃんと南を向いているのを見ると、
急にリアルになる。
地球って、ほんとに丸いんだ。
北半球と南半球では、
太陽の見え方が違うんだ。
時計で暮らしているけれど、
本当は、地球が回っているんだ。
そんな当たり前のことが、
足元の小さな影から、
ぐわっと立ち上がってくる。
地味。
とても地味。
でも、めちゃくちゃ感動。
モアイを見に来たイースター島で、
まさか影にも興奮するとは思わなかった。
近藤家、
見るものが多すぎる。
モアイ。
海。
空。
太陽。
そして、影。
どれもこれも、
地球の上にいることを教えてくれる。
太平洋のど真ん中まで来ると、
人間が作ったルールと、
地球そのもののルールのズレが、
急に見えてくる。
時計は便利。
でも、太陽はもっと根本的。
地図は便利。
でも、影はもっと体感的。
旅って、こういうことなのかもしれない。
知識が、景色になる。
理屈が、身体に落ちる。
教科書の中の地球が、
足元の影になる。
ということで、
数学クラスのみなさま。
ミッション、遂行しました。
太陽さんと、
船時計と、
体内時計に振り回されながら、
イースター島で影を撮ってきました。
結論。
地球って、ほんと丸いです🗿
🌀To Be Continued🌀